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【実践】朝起きてすぐの歯磨きが人生を変える

Question mark from toothpaste. Tube of colored toothpaste and toothbrush and dentist tools, mirror, hook on blue background. The concept of choosing good toothpaste for brushing your teeth. Copy space for text

あなたが朝起きてから最初に歯磨きをするタイミングはいつでしょうか?

多くの方々が『朝食後』と答えるのではないでしょうか。実は私もそうでした。特に私は朝食を抜くことが多いので、そのようなときは昼食後になってしまうこともしばしばです。現代の人々は忙しいので、私と同じような人が多いと予想されます。

そんなのいつでもいいじゃん、そう思った方々も多いはず。

でも、歯磨きのタイミングで健康を保つことができるとしたら、ちょっと知りたくないですか?

結論から先に言うと…

是非、試して貰いたいのが、朝起きてすぐの歯磨きです。

とはいっても、歯磨きをするタイミングは歯科医師の間でも、食後すぐに磨こうという以外には統一的な見解がありません。

例えば…

一日に一度しか歯を磨けない場合には、いつ歯磨きをしなさいと指導しますか?

という問いに、『朝起きてすぐに派』『寝る前派』に分かれます。ポイントは、寝ている間に数千万から数億個いる口腔内細菌が数倍に増えることにあるのです。

つまり、寝る前に増殖源となる細菌を減らすか、起きてから増殖した細菌を減らすかといった問題なのです。

私は、最近が大量に増えてから歯を磨くのは大変ですから、『寝る前派』でした。寝ている間に細菌が増殖すると安眠妨害にもなりそうですし、断固、『寝る前派』だったのです。

ただ、先月ウイルス性の腸炎を患い辛い思いをしたので、口から摂取する食べ物を見直し、さらには口腔衛生に対する考え方を見直すようにしました。

そもそも、歯磨きは何度しても良いものですし(やり過ぎは知覚過敏を引き起こす可能性がありますが…)、虫歯を防ぎ、口腔内を健康に保つという歯磨きの本質からみても、二者択一の問題ではないのです。

ですので、朝起きてすぐに歯を磨くことの重要性を説く先生方の意見に耳を傾けることにしました。

朝起きてすぐの歯磨きが人生を変える

Concept of tooth or oral care, top view

さまざまな病気の多くが口から体内へと侵入しています。人の細胞は常に細胞が入れ替わっているのですが、その新しい細胞を作っているのは、日々摂取している「食べ物」「水」「空気」です。

口から摂取した食べ物や水は、食道を通り、胃の中で消化され腸へ送り込まれます。摂取した食べ物の成分などが腸から吸収され、血管に取り込まれることで全身の細胞に運ばれていきます。他方、呼吸によって体内に取り入れられた空気は、肺の中に取り込まれ、血液に新鮮な酸素を送り込むことになります。ですので、これらの質を変えることは、その人の健康を左右することになるのです。

これらを取り入れるための入口が口であり(食べ物や水の場合)、鼻であるのです(空気の場合)。

しかし、ヒトの場合、口で呼吸してしまう点が厄介なのです。ヒト以外のほ乳類は、鼻で呼吸します。当然、ヒトも生まれたときは鼻呼吸をしておりました。赤ちゃんは誰からも教わることなく、おっぱいを飲むことができますが、なぜ飲み続けることができるかというと、この間、ずっと鼻で呼吸しているからです。ですが、ヒトは他のほ乳類と異なり、喋ることができます。食べながら話すときには口呼吸になっていることが多いのです。

では、ヒトは、いつから口呼吸が始まったのでしょうか? 

ヒトのみ口呼吸をするようになったのは、ヒトが他のほ乳類に比べて離乳が早いことに起因するといわれております。おっぱいを吸っているときは自然に鼻呼吸ができていたのですが、鼻呼吸が習慣つく前に離乳してしまうと口呼吸の癖がついてしまうのです。

というのも、鼻呼吸の習慣がついていない赤ちゃんは、食べ物を飲み込むときに一緒に空気を摂取してしまうのです。なぜなら、そのほうが、大量に空気を摂取できて楽だからです。口呼吸のほうが楽だから、食べながら口で呼吸することで、口呼吸の習慣がついてしまい、いつの間にか食べていないときでも口で呼吸するようになってしまうのです。

この口呼吸のせいで、口をポカンと開けっ放しでいることで口輪筋が緩み歯列不正になったりします。そればかりではありません。口腔内が乾燥することで細菌が繁殖したり、口腔内にウイルスを摂取してしまうのです。

特に寝ているときに口を開けっ放しにすることで、口腔内の細菌は、十倍以上に増殖してしまうといわれております。ですから、朝起きてすぐの歯磨きは、増殖した細菌や摂取したウイルスを除去することになるので、病気を未然に防ぐ効果があるのです。

いかがだったでしょうか?

あくまでも『朝起きてすぐに派』からの説明ですので、できすぎた話しのように思えるのですが、仮にこれだけで健康が手に入るのであれば試す価値はありそうです。

もちろん、朝起きてすぐに歯磨きをしたからといって、食後に歯磨きをしなくて良いというわけではありません。朝起きてすぐに歯磨きをすることで、食後にも歯磨きを習慣化しましょうという狙いもあるのだと思います。

ただ、本音をいえば、朝起きてすぐに歯磨きするくらいなら、あと5分、布団の中で眠っていたい誘惑にも駆られます。

しかし、感染症などに苦しんだ方々は、それまでの習慣を見直してください。数分早起きして、歯を磨くことで病気を予防できるのであれば(実際は感染リスクの減少や発症リスクの減少にすぎないのでしょうが…)、試してみる価値はあるのではないでしょうか。

本日は以上です。

質問等がありましたら、コメント欄にて連絡ください。次回以降のテーマの参考にさせていただきます。

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